生絹(すずし)〜蚕が繭を作るとき、吐く糸にはセリシンという蛋白質が表面について、糸を守っています。柔らかい絹織物を作るときは、糸を精錬しセリシンを除いてから織り、照りのあるしなやかな布に仕上げます。生絹は、セリシンがついたままの硬めの糸で織ることで、布に張りを与え、夏の織物らしい清涼感が生まれます。
「風笛」志村洋子 作
「雨過天晴」佐野美幸 作
靫草
靫草(うつぼぐさ)〜茎の頂きに穂を出して、紫の唇形花を開き、形が靫(矢を携帯するための筒状の容器、竹などを編んで毛皮を張ったもの、練り革に漆をかけたものなどがあり、右腰につける)に似ている。夏のうちに枯れて黒くなるので夏枯草(かこそう)とも言う。