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菊紋の御召

菊と紋様〜菊花は中国では古く周代より人びとの観賞に供され、その花が放射状で整った形状であることから太陽になぞらえ、百花中の最上位とされる。漢代には薬餌として用い、延命長寿の効験があるとされた。菊花紋といえばまず、皇室を思い浮かべるが、菊が皇室の紋章とされたのは意外に新しく、明治になってからである。明治二年、天皇家は十六花弁の八重菊、皇族は十四花弁の裏菊と定められ、つづく四年には皇族以外に菊の紋章の使用が禁じられた。菊花紋が皇室の紋章となるきっかけは、鎌倉時代に後鳥羽上皇が衣服や刀剣にまでこの文様を用いたことに始まるといわれる。しかし、当時は貴族や大名にも菊の紋をつけるものが多かったようで、八重菊、単菊、菊菱などの菊花紋を始め、楠氏の菊水紋のように他のものと組み合わせた紋や、菊葉紋もみられる。美術工芸として見た場合も、菊は平安時代以後、装束や調度の文様にしばしば用いられてきた。貴族は家門を誇るべく、優雅な図柄を選んだ。鎌倉、室町時代の工芸品や絵画にも菊がさかんに描かれ、武家の紋章にもしばしば選ばれた。貴族にしろ武士にしろ彼らが菊の文様を好んだのは、菊の持つ延命長寿の霊力にあやかりたいという願いを込めてのことであろう。

「菊花、菊葉紋」
  「菊花、菊葉紋」  
 
   


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