太子間道より取材、先染めにて濃淡ぼかしを絵羽付けにし、緻密な柄を本絣で表現しました。 太子間道(太子広東)〜法隆寺伝世の絣織物の呼称。聖徳太子の遺愛の品という意味で太子広東と通称され、また絣の色調が錦のように多彩であることから「広東錦」とも称される。「広東」は中国の広東地方より舶載されたことを意味するといわれる。この絣は赤・縹(はなだ)・萌黄・黄などに染め分けられた絣糸を用いて幾何学文様を織り出した経錦であるが、絣織の資料としても古く、極めて貴重である。名物裂の貼込帳にまれにこの裂の細片に似たものを見掛けるが、後世の舶載品である場合が多い。またその場合には「間道」の字が多く当てられている。いずれにせよ太子広東は明代以降のいわゆる縞織の間道とは別種のものである。
繊維のダイヤモンドと呼ばれる天蚕糸を縫い取り柄の一部に使用し、自然の輝きを表現しました。 ※天蚕糸〜10月11日発行の日本経済新聞朝刊の1面コラム「春秋」に天蚕糸が採り上げられました。
柊の花〜庭園や籬(まがき)などに植えられ、葉は卵形または長楕円形で、縁には大きな尖歯がある。葉質は厚く、剛く、光沢がある。花は白く芳香があり、繖形状に小さい花を簇生し、初冬に開花する。 美男蔓〜野生もあるが、庭木として栽培される蔓性の常緑藤本で、晩秋、小粒の実が多数あつまって、3センチほどの毬状をなして、花托とともに紅熟して美しい。褐色軟質の枝に、光沢のある楕円形の葉をつけるが、葉の裏面は紫色を帯びている。夏は淡黄白色の五弁花が美しく、秋の紅熟した実はさらに美しい。