蔦(つた)〜山野の木や崖にからんだり、石垣や住宅の堀塀に這いまつわった青蔦も、晩秋の一霜ごとに、その掌状の葉を真紅にそめて紅葉する。蔦紅葉と言って、燃えるようなその紅葉は趣深い。
蓼(たで)の花〜蓼には種類が多いが、花が咲くのは大方初秋である。初秋のころ、枝上に長い穂をなして可憐な濃淡の紅色花を開くものが多い。水辺に生じて美しい桜蓼から、路傍の大形の大犬蓼まで、その種類は多く、花容も花色も種々である。秋も深くなってくると、その葉も紅葉してくる。蓼の穂、蓼穂。
木賊(とくさ)刈る〜木賊は北地に多く生え、木の下の谷間などに茂っているが、観賞のため、人家にも植える。地下茎から茎が直立して、60〜90センチばかり、中空の円柱形で、枝を分かたず、深緑色で美しい。節が多く、節には黒い鞘がある。秋、この茎を刈って、塩湯に煮て干し、木材・角あるいは骨などを砥ぐのに用いるので、砥草と言う。 |