七種(ななくさ)〜正月七日の粥に七種の菜を入れる風習で、全国に普及している。地方によっては雑炊であり雑煮である。七種菜(ななくさな)はふつう、芹(せり)・薺(なずな)・五形(ごぎょう)・蘩蔞(はこべら)・仏の座・菘(すずな唐菜)・蘿蔔(すずしろ大根)の七種で、土地によって異同があるが、東北では、楤(たら)の芽を入れるところもある。七草粥・七日粥。菜は六日の晩に爼板(まないた)の上で叩くが、そのとき「七種なずな唐土の鳥が日本の土地に渡らぬさきに」云々と言ってはやす。もと鳥追の文句であろう。七種はやす・薺はやす・七種打・薺打・薺の拍子・宵薺。地方によっては若菜迎えとも、叩き菜とも言う。南九州や東北では、七所祝・七雑炊・七種貰いなどと言って、七歳の子が七日に近隣七軒を盆を持って回り、家々の雑炊をもらって食べる。二薺とは芹・薺の二種である。七種売・若菜売・薺売。