榎茸(えのきたけ)〜晩秋から春にかけて、榎・柿・無花果(いちじく)・楮(こうぞ)・ポプラその他の落葉濶葉樹の枯幹や切株などに叢生(そうせい)する。滑子に似て、ぬめりがあり、なめこと呼ばれることもあるが、乾くとすっかりねばり気を失う。傘は直径2〜7センチ、滑子は淡黄褐色なのに、榎茸は暗褐色で、まわりがだんだん淡くなり、日光に当らないところで出来たものは白い。榾木(ほだぎ)に菌をふせこんで人工栽培し、またおが屑を用いた壜栽培も盛んになったが、栽培品はもやし状で、足が著しく伸び、色が薄い。京都府で古くから栽培されたが、東北や信州の寒地に適し、雪の中で採れるので、山形では雪の下、また雪茸ともいう。滑子と違って缶詰にされず、生のまま出荷される。おろし和え・なます・味噌汁また鍋物に入れて喜ばれる。