薊(あざみ)の花~原野に多い、普通の野薊である。葉は羽状に分裂し、葉も茎も鋭い刺(とげ)をもち、高さ60センチあまりとなる。晩春から、夏のあいだ、紅紫色の美しい頭状花を咲かせるが、花の形が婦人の用いる眉刷毛に似ているので、眉作り・眉はきとも言う。花の後、白い冠毛のある種子を生ずる。種類が多く、山薊・車薊・藤薊などがあり、姫薊一名南部薊は、春、茎葉を食べるので菜薊とも言う。浜薊は根を食用とするので浜牛蒡とも言う。沢薊はまた水薊・煙管薊とも言い、大形のものを俗に鬼薊と言う。花卉(かき)として新しい品種も作られている。