卯(う)の花〜空木(うつぎ)の花のことを言う。野山や畑の辺などに生ずる一メートル数十センチの落葉灌木で、庭園や垣根に植える。卯の花垣。幹は中空で多く枝を分かち、葉は長卵形で鋸歯がある。初夏、白色五弁の雅趣豊かな花が十数センチの穂をなしてひらく。種類が多いが、いずれも陰暦四月(卯月)に咲く。「箱根うつぎ」の花はとくに美しく、白から紅を経て紫と変化しながらむらがり咲くさまは、雪月花を一度に見ると言われるほどである。ただし、箱根にあるものは別種である。ほかに黄花うつぎ・うこんうつぎ・錦うつぎ・谷うつぎ・藪うつぎ・びろうどうつぎなどの種類がある。花の後、黒い実を結ぶ。花卯木