楊子糊 山田忠夫作
▲訪問着「白日松波」
▲藤袴(ふじばかま)
楊子糊とは、楊子(竹べら)の先で腰の強い独特の糯(もち)米糊を垂らしていくという特異な糊置き技法です。楊子糊の太細自在のいきいきとした柔らかな筆勢は、髪の毛ほどの細い線から松の幹を表現するような太く力強い線まで、自在に伸びやかに表現できます。
明治中頃までは盛んに行われていましたが、仕事の容易な筒金による糊置法が開発されるにいたって急速に忘れられていきました。しかし、昭和30年に重要無形文化財友禅楊子糊技法保持者に指定された故山田栄一氏によって、ふたたび日の目を見るに至りました。その後、父の遺志を継いだ忠夫氏が永年の苦労の末、技法を確立し、楊子糊だけが持つしなやかで伸びのある友禅染が復活したのです。
▲訪問着
▲訪問着
[山田忠夫氏プロフィール]
昭和20年
人間国宝・山田栄一の四男として生まれる。
昭和35年
京都にて染色業を営む長男の下にて修業する。
上村一竿に日本画を学ぶ。
昭和49年
北区鷹ヶ峰にて独立、糊作りの準備に入る。
平成3年
楊子糊の完成を見る。
平成4年
第一回目として御所解の試作品完成
平成6年
父親の人間国宝指定の対象となった作品の復元にこぎつける。
▲染色作家・山田忠夫
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