太子間道より取材、先染めにて濃淡ぼかしを絵羽付けにし、緻密な柄を本絣で表現しました。 太子間道(太子広東)〜法隆寺伝世の絣織物の呼称。聖徳太子の遺愛の品という意味で太子広東と通称され、また絣の色調が錦のように多彩であることから「広東錦」とも称される。「広東」は中国の広東地方より舶載されたことを意味するといわれる。この絣は赤・縹(はなだ)・萌黄・黄などに染め分けられた絣糸を用いて幾何学文様を織り出した経錦であるが、絣織の資料としても古く、極めて貴重である。名物裂の貼込帳にまれにこの裂の細片に似たものを見掛けるが、後世の舶載品である場合が多い。またその場合には「間道」の字が多く当てられている。いずれにせよ太子広東は明代以降のいわゆる縞織の間道とは別種のものである。
繊維のダイヤモンドと呼ばれる天蚕糸を縫い取り柄の一部に使用し、自然の輝きを表現しました。 ※天蚕糸〜10月11日発行の日本経済新聞朝刊の1面コラム「春秋」に天蚕糸が採り上げられました。