松竹の四季変わらぬ緑を保つ姿は神性、永遠性をあらわすとされます。
常緑樹の松は、色の変わらぬことのめでたさがよろこばれ、松は千年の齢をたもつともいう故に、千歳緑の名もあります。常磐の松と呼ばれるのも、常緑が永遠不滅のものとして、神に祈りを捧げる色だからでしょう。松のまだ生長しない姿は、若松という文様となって、能装束や帯などに織り上げられています。松の緑、という言葉があるように緑ではあっても、若松と老松ではその色あいが違います。日本の色名では松葉は明るい色ですが、常磐、千歳緑は深い緑をさします。松の文様は格の高いものですから、礼装となる留袖や振袖、また、その袋帯に多いものです。
竹の文様として、よく見るのは「松竹梅」。これは「歳寒三友」で寒に耐えるものとして尊ばれ、我が国では吉祥文様となっています。「歳寒二雅」は竹と梅です。「三益友」は竹・石・梅、「四君子」は竹・梅・菊・蘭で、いずれも吉祥文様に使います。
|