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黒喪服
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喪服は何事も無いときには購入しにくいため、昔から嫁入り仕度の一つとすることが多かったようです。急に必要になるものですから、いざというときに慌てないように用意しておきましょう。黒喪服は並んで比較すると、特に優劣の差が目立ちます、素材、染など納得のいく上質のものをお選びになりますようお勧め致します。
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・新小石丸糸使用「正藍下黒紋付」
新小石丸は日本古来の極細糸「小石丸」に、新たな研究交配を重ね、和装に最適の素材として誕生しました。群馬県榛名山の麓、碓氷(うすい)で入念に養蚕、製糸された糸は、「柔らかな肌触り」「軽い」「美しい光沢」「しわの回復力が良い」「染上がりが美しい」などの優れた特性を備えた21中6A格の極細で繊度の高い生糸です。
製織については、当社が指導する丹後優良工場で、和装の生地として申し分のない風合いを生み出しました。
染は阿波藍造り国選定文化財技術保持者より提供をうけた「すくも藍」を用い、京都伝統の正藍下黒染技術により、輝く黒の格調高い色調を生み出しました。
〜丹後一越縮緬四丈物、21中、1030g
〜100%「新小石丸」を使用 |
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▲新小石丸糸使用「正藍下黒紋付」 |
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(注)小石丸:日本古来蚕種「小石丸」は江戸期寛政初年(1790年)に産出された。小さな丸い石を二つつないだ様な可愛らしい俵型の光沢優美な優良蚕種であり、現在も大切に保存、育成されている。また、明治時代から皇居(紅葉山御養蚕所)で飼育されている蚕種の一つである。
(注)すくも藍:藍の生葉を乾燥し、これに水を打って発酵熟成させたものが「すくも」で、これを臼で搗(つ)き、かたく固め乾かすと藍玉となる。古くは「すくも」のみだったが、昭和の初期に藍玉とすることが始まったと伝える。
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新小石丸Q&A |
Q:新小石丸生地は他の生地と比べて、何が違うのですか?
A:生地の繊度(細さ)を表す単位として21中、27中、31中などがあり、現在、生糸取引所において27中2Aを標準品として1kg単位で取引されています。一般的には27中、31中といった糸を使用した商品が大半を占めています。数字が小さいほうが細いというわけです。その21中でも6Aという最高評価(A〜6Aの6段階評価)された糸のみで織り上げているのが最大の特徴です。
Q:どういった点が優れているのですか?
A:21中という細い糸をつくるために、より細い糸を吐き出す蚕(新小石丸)10〜11粒を合わせて一本の糸を形成しているため、柔らかくコシがありシワの回復力に優れ、染め上がりが美しく、絹本来のドレッシーなラインの表現が可能になった
点です。
Q:価格が少し高いように思われますが?
A:現在、生産されている蚕種の中で、2デニール(髪の毛の1/20)という極細糸を吐糸する「新小石丸種」を群馬県榛名山山麓の清らかな風土にある養蚕農家で一年に一回のみ特別に養蚕し同県碓氷製糸で可能な限りゆっくりと繰糸し、年間わずか10俵という微量しか生産できない貴重な糸です。その糸を100%使用し、より風合を生かすため古来より伝わる伝統技法を駆使して京都は丹後にて織りあげました。着るほどに味が出て、末長く着用出来る最高級品は、購入時には少し高いように思われるかもしれませんが、結果的にはお得で納得、満足していただけると思います。いわば、ウールのなかでいう、「カシミヤ」のようなものです。 |
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喪服が制度として定められたのは奈良時代のことで、718年に成立した養老律令にその記述がみられます。それによると、天皇の崩御に際しては、黒または薄墨色(鈍色:にびいろ、濃いねずみ色)の衣服を着用することが定められています。また、日本書記に「素服」、源氏物語に「藤衣」とでてくるのは、いずれも喪服のことで、もともと、麻や藤蔓の繊維で織った粗末な衣服が喪の時に着る一般的な衣装であったと考えられます。
黒の衣服は、元来僧侶の着るものでしたが、精進すべき喪の期間に限って、民間人もこれを着て忌み謹む習慣となったものと思われます。大正時代から昭和初期にかけての一時期、女性は白無垢を着ることもありましたが、その後は、一般的には黒に統一されています。 |
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喪の装いは地方によって多少違いがあり、時代とともに変化しています。それぞれの地方での決まり事を大切にしながら、礼を尽くした装いを調えたいものです。 |
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喪主・家族 |
親族 |
その他 |
通夜 |
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告別式 |
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四十九日法要 |
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忌年 |
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●適、▲可、×不適 |
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