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桜、山吹、沈丁花(じんちょうげ)
出典:矢代仁蔵書「四季の花」 |
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桜〜春の桜は花王と言われ、淡紅白色の花容は、古来とくに日本人に賞された。花と言えば、桜のことであり、国花とされている。爛漫と咲き盛った万朶(ばんだ;多くの枝)の花の散りぎわのあわただしさが、ひとしお愛惜(あいせき)されるのである。朝、夕の花を賞して、朝桜、夕桜と言い、また桜の夜景をめでて、夜桜を見に出かける風習もある。
彼岸桜はもっとも早く咲く。
山桜は優雅でその散りぎわがまことに清い。白色単弁で変種も多く、花と同時に赤味を帯びた若葉がでる。吉野の山桜は有名である。
染井吉野は葉に先だって花が開く淡紅白色の華麗な種類で、東京染井の植木屋から広がったから名づけられたものであり、吉野の山桜とは別種である。他に深山桜(みやま)、大島桜、大山桜などの種類がある。 |