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六月(水無月→七月)の覚え書
・梅雨期にはいり、翠緑の山滴るような時節である。
・皐月:陰暦五月の異称。陽暦六月ごろ。田植えを始める月とされた。皐月の名は早苗を植える意の早苗月の略からとも、陰暦五月は狩りに良いことから幸月と呼んだことの転訛ともいわれる。橘の花が咲くことから橘月ともいう。
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5/31〜6/5 |
麦秋至(ばくしゅういたる):七十二候、小満の三候 |
6/6 |
芒種(ぼうしゅ):二十四節気、陰暦五月節小満の後十五日。
芒(のぎ→稲、麦などの実の殻にある針状の毛)ある殻は
播種(はしゅ→たねまき)すべき時という意。田植が始まる。 |
6/6〜10 |
蟷螂生(かまきりうまる):七十二候、芒種の初候 |
6/11〜15 |
腐草為蛍(ふそうほたるとなる):七十二候、芒種の二候 |
6/16〜20 |
梅子黄(うめのみきなり):七十二候、芒種の三候 |
6/21 |
夏至(げし):二十四節気、陰暦五月中芒種の後十五日。
太陽は夏至点にあって、一年中で昼がもっとも長く、夜が もっとも短い。 |
6/21〜26 |
乃東枯(うつぼぐさかる):七十二候、夏至の初候 |
6/27〜7/1 |
菖蒲華(しょうぶはなひらく):七十二候、夏至の二候 |
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※麦秋(ばくしゅう):麦が熟する初夏のころをいい、五〜六月にあたる。麦刈りの時期は梅雨を控えて短く、農家の人たちは忙しく立ち働かなければならない。
※蟷螂(かまきり):五月半ばごろから孵化する。かまきり自体は秋の季語。
※蛍(ほたる):小形を平家蛍、大形を源氏蛍と言い、山地には姫蛍がいる。名所の名を冠して、宇治蛍・石山蛍・守山蛍などと言う。
※青梅:梅雨にはいるころ、梅の実が太りはじめる。かたく緊(しま)った青い実で酸味がつよく、熟すると黄色になる。青いうちにとって梅干や梅酒をつくったり、煮梅にする。豊後(ぶんご)梅はつぶが大きく、信濃梅・甲州梅・小梅は小粒である。
※靫草(うつぼぐさ):日当たりの良い草地に生えるシソ科の多年草。六月ごろ、茎頂の短い穂に紫色の唇形花を開き、形が靫に似ている。夏のうちに枯れて黒くなるので夏枯草とも言う。靫とは太い筒形の中のがらんどうな所に矢を入れ、腰につけて持ち歩く武士の道具。→12/22〜26 乃東生(うつぼぐさしょうず):七十二候、冬至の初候
※夏越(なごし):陰暦六月・十二月の晦日は、一年を二期に分って、来るべき新たな時期にはいる祭の忌の日であった。六月の晦日を夏越と言い、今は新暦または月遅れの七月晦日に行うところある。大祓・夏越の祓。茅の輪または萱貫と言って、浅茅(あさぢ)を輪形に作って、人にこれを潜らせ祓いを行う。(かや→茅・萱:稲科の植物チガヤ・ススキなどの総称。屋根をふくのに使う。)
※更衣(ころもがえ):昔は、宮中でも民間でも、陰暦四月朔日と十月朔日とに、衣を更えるのを例とした。江戸時代には民間で、四月のこの日、綿入れをぬいで袷になった。俳句では夏の衣服に替えることをいう。着物は6/1袷から単衣に替えるならわしがある。制服を着用する学校や官公庁などでは五〜六月に夏服への更衣を行う。
※鮎:大部分の川は6/1に鮎漁解禁になる。鮎鮨、鮎鱠(なます→細かく切った生肉を酢にひたす)、鮎魚田(ぎょでん→串に刺し、味噌を付けて焼く)などにし、塩焼きにして蓼酢で食べ、わたの香気・渋味・苦味も珍重される。 |