矢代仁トピックス



  鳥類のなかでも、吉祥文様になるものの代表といえば、第一は鶴です。その次には鴛鴦といってもよいでしょう。色彩華麗な水鳥で、頭にかざり羽があり、山間の渓流・山湖などで繁殖し、秋には渓流を下って平地の湖沼に群棲する。初秋、美しい冬羽となって、翌春まで冬羽のままでいる。扇形に栗色の銀杏羽を立てている。剣羽また思羽とも言う。雄がはるかに美しいが、つねに雌雄離れず、並んで泳ぎ、眠るにも翼を交わし、頚(くび)をまじえるので、夫婦仲のいいことに喩え、鴛鴦の契の語がある。留鳥で、冬鳥というわけではないが、俳句では冬季にしている。
【参考】「百鳥文」という図柄があります、姿や色が美しく、力強く、まずはめでたいといわれて、人々に好まれた鳥類を集めた意匠のことです。鶴、雉、尾長鶏、孔雀、鷺、鷲、鷹、雀、雲雀、鴬、燕、そして水辺に遊ぶ絵となるのは、鴛鴦、鴨、鶺鴒(せきれい)、千鳥、白鳥、鴎(かもめ)、鴫(しぎ)、鳰(かいつぶり)、雁、都鳥など、相性のよい植物とともに、それぞれ季節感や情緒をみせてくれる鳥たちです。



季節の花ギャラリー
河骨、おもだか:矢代仁蔵書「四季の花」
河骨〜沼池や小川に生じる水草で、根茎は水底の泥の中に横臥するが、白い海綿質で、折るとそのさまが白骨に似ているので、この名がある。葉は22、23センチほどで、里芋の葉に似ており、長い柄をもって水上に現われ、表面は深緑色、裏面は黄緑色である。六、七月のころ、緑色の円柱形のたくましい花梗(かこう)を長く伸ばして、頂きに黄色の五萼片からなる3センチあまりの花を、天に向けてひらく。根茎を薬用とする。
沢瀉(おもだか)〜池・溝・水田などに生ずる草で、茎も葉も慈姑に似ているが少し小さい。六、七月のころ葉の間に30〜60センチの、節のある花梗を出して、節を囲んで白い三弁の花を輪生し、円錐花序にひらいて美しい。観賞花として夏の水盤に活けたりする。花慈姑とも言う。

歳時記より
胡瓜:矢代仁蔵書「梅嶺画鑑」
胡瓜〜温室栽培により一年中出まわっているが、本来は盛夏の味覚である。他の瓜類と同じように畑に栽培するが、柵を立ててやると茎の巻鬚は柵をよじ上る。濃緑色の微毛のある葡萄に似た葉をつけ、初夏の黄色の花が終ると、実を結ぶが、瓜類中もっとも早く熟し、疣(いぼ)のある青い円筒形の実が垂れさがる。品種が多く、五月から七月までに採収するものは、夏胡瓜と言う。初もぎの、まだ花のついた青い小さなものは、味噌を添えて生で食べるが、大きくなると薄くきざんで軽く塩でもみ、酢に浸して胡瓜もみにして食べたり、瓜漬・一夜漬などの漬物にする。薄くきざんで酢の物などに添えると新鮮で美しい。
インド原産で一般に食されるようになったのは江戸末期から。



六月の主な行事

○京都
1日 貴船神社 貴船祭り
御更祭という。午前中は祭典と舞楽奉納。午後から神輿渡御。奥の院で千度詣りが行われ、子供たちが「オセンドンドン」といいながら船形石をまわり、成長を祈る。
1日 北野天満宮 火之御子社例祭
雷除けの大祭。火之御子社は北野天満宮の本殿前にあり、火雷神をまつる。雷除け、火難除け、疫病除け、稲作の守り神として古来朝野の信仰が篤い。神事は非公開。雷除け神符を授与する。
1〜30日 車折神社 夏越祓
水無月の祓。茅の輪を飾り、30日には半年間の罪穢れを人形に移して焼き払う。
1〜2日 平安神宮 京都薪能
京都市と京都能楽会の主催。能の大衆化と観光を目的として昭和二十五年にはじまる。大極殿の庭に舞台を設け、夕方から篝火を焚いて、観世・金春・金剛流の能、大蔵流の狂言が演じられる。
2日 本能寺 信長忌
織田信長の命日に営まれる法要。天正十年(1582)のこの日、本能寺の変で明智光秀に襲われて自刃したことにちなむ。ただし当時の本能寺は今の所にはなかった。菩提寺の大徳寺総見院でも営まれる。
4日 ぬりこべ地蔵 歯供養
歯痛治癒祈願の代表的な地蔵尊を虫歯予防デーのこの日に供養するもの。墓地にあったものを塗り込めの堂内に安置したのでこの名がある。治癒した人はお礼に塗りの箸を奉納する。
  比叡山延暦寺浄土院 伝教会
5日 建仁寺 栄西忌
開山忌。栄西は京都に最初の禅寺建仁寺を建て、はじめて茶種を中国からもたらし、喫茶の風習を広めた。この日、栄西を偲んで裏千家家元による献茶式が開山堂で営まれる。
  宇治市県神社 県祭り
深夜、暗闇の中で、奉書紙約千六百枚を束ねて丸竹につけた梵天神輿が御旅所から神社まで練る奇祭。宇治橋の西詰では梵天回しが行われる。この奉書紙は魔除けになるといわれ、参詣人や御幣講中が奪いあう。
7〜9日 醍醐寺三宝院 三宝院門跡花供入峰修行
醍醐寺開祖聖宝が吉野山、金峰山、大峰山で修行して修験道醍醐寺派を創建したのを起源とする。7日早朝、三宝院門跡、一山の修行僧、信者が山伏姿で出発し、大峰山に向かう。9日には三宝院へ帰り護摩供を修する。
10日 伏見稲荷大社 御田植祭り
豊作祈願の神事。平安装束の汗衫を着た神楽女四人が御田舞を舞い、白衣に紺の手甲脚絆の田人と菅笠に茜襷の早乙女が神田の田植えを行う。大阪三島郡総講中の人々の奉仕。
12日 法然院 八ツ橋忌
江戸時代の琴の名人八ツ橋検校の命日に、遺徳を偲んで行う法要。琴の演奏、舞踊が奉納される。黒谷にある検校の墓にお参りする人のために琴形の菓子を売ったのが「八ツ橋」のはじまりという。
15日 智積院 青葉まつり
宗祖弘法大師空海の誕生日を祝う法要。修験者による柴灯護摩供や献花式もあり、大書院では茶菓接待や華展が催され、国宝の障壁画や庭園が公開される。
20日 鞍馬寺 竹伐り会式
蓮華会。平安時代の中興の祖、峯延上人が法力で悪蛇を退治した故事にちなむ。長さ四メートルの太い青竹を大蛇に見立てて、法師八人が近江座と丹波座にわかれて切断する速さを競い、豊凶を占う。18日竹釣、19日蛇棄ての儀式がある。
30日 北野天満宮 夏越祓
25日に茅の輪くぐりをして半年間の罪穢れを祓い、30日の大祓式で次の半年の幸せを祈る。紙の人形に罪穢れを移して紙屋川に流す。
  上賀茂神社 夏越祓
茅の輪くぐりの神事のあと、神職が橋殿から紙の人形を楢の小川へ流して穢れを祓う。1月から6月までの半年間の罪穢れを祓う神事。
上旬 平安神宮 菖蒲池公開
平安神宮神苑の菖蒲やカキツバタが見ごろになると、1日だけ無料公開する。約六千坪の神苑は、東・中・西・南の四苑にわかれていて、この時期美しい花々が池を彩る。
中旬〜下旬 妙心寺塔頭東林院 沙羅双樹公開
涅槃図に描かれている沙羅双樹とちがい、日本種の沙羅はナツツバキで、白い花をつけて翌日には散ってしまう。ここのは大木で庭の苔の上一面に白い花を散らす。観賞は予約、有料。
○全国
1日〜11/1 山形県湯殿山 湯殿詣
5日 名古屋市熱田神宮 熱田祭
10日 大津市近江神社 漏刻祭
10〜16日 東京都日枝神社 山王祭
日枝神社は文明年間(1469〜87)に、江戸城の守護神として勧請された。のち徳川家の崇敬が厚く、その祭礼は寛永年間(1624〜44)に江戸の大祭礼と定められ、将軍が祭りを見物したこともあり、神田祭りとともに天下祭りとも呼ばれた。享保三年(1718)以降、神田祭りと一年ごとに行われるようになった。各町会から神輿が出て、数百人の行列が町内を練り歩く。
13〜15日 金沢市尾山神社 百万石祭
尾山神社の祭神は加賀百万石の第一代前田利家候で、この藩祖この藩祖の加賀入国を記念する祭りが拡大された。見せ場は時代絵巻を見るような百万石行列で、加賀鳶の妙技、豊年太鼓、獅子舞、弥彦婆、子供提灯などが人々をわかせる。
14日 大阪市住吉大社 御田植
大阪では御田(おんだ)と呼ぶ。当日は、芸妓たちが扮する植女、稚児が神館で粉黛戴盃式(扮装の式と御酒戴きの式)を行い、奉仕者一同とともに修祓を受ける。次いで行列を組み神田にいく。植女は中央の仮舞台の上から下植女に早苗を渡し、田植が始まる。その間、舞台では風流花傘が立てられ、八乙女による田舞が奏せられ、御稔女による神田代舞、風流武者の棒打合戦、植女の御田代舞、氏子子女の住吉踊りなどが賑やかに行われる。なかでも住吉踊りは有名。
14〜16日 札幌市北海道神社 札幌祭
15日 岩手県蒼前(駒形)神社 チャグチャグ馬コ
農事用の馬をいたわる目的で行われる。盛岡地方はいわゆる南部馬の産地として有名で、この日は早朝から、愛馬を五色の布、紅白の手綱で飾り、金銀の馬具をつけ、半纏姿の男の子や振袖の少女を乗せて、馬の守護神たる蒼前神社に集まる。神事のあと行列し盛岡市内の盛岡八幡宮に向かう。「チャグチャグ」というのは飾りの鈴音を表現した言葉。
  和歌山県高野山金剛峯寺 青葉祭
  新潟県菅原神社・草刈神社 つぶろさし
17日 奈良市率川神社 三枝祭
由来は古く、延喜式にも規定があり、養老令にも「三枝の花をもつて酒樽を飾る祭の故に三枝といふ」という記載がある。いまでも三枝の百合の花、三万本を神社に献ずる。百合祭りともいわれるゆえんだ。この百合の花は、大神神社の御神体である三輪山で摘まれたものである。当日は、百合の枝を手にした四人の巫女たちによって、神前で舞が奉納される。また、全国の酒造業者から酒が献上され、清めの式が行われる。社前での式が終わると、参詣人に百合の花がくばられる。午後は奈良朝の風俗を再現した七媛が氏子たちとともに列をつくり、奈良の町を清めてまわる。
23日 沖縄県 沖縄県慰霊の日
23・24日 東京都愛宕神社 千日参り
24日 三重県磯部町伊雑宮 御神田
伊雑宮は伊勢神宮と関係の深い社で、御田植神事は「オミタ」と呼ばれる。伊勢の御田植とは様式が異なる。奉仕者はエブリサシ、立人、早乙女、簓摺(ささらすり)、太鼓打、囃子方の二十五人で構成され、伊雑宮に参拝し、修祓を受けて、神田で田植えを行う。神官が畦(あぜ)に立ててある青竹を抜いて田の中央に倒すと漁民が裸体になってそれをとろうと争う。漁師たちの大漁祈願の祭りという色彩があり、青竹はお守りとされるのである。
27日 秋田県大曲市丸子川畔 鹿島流し
神送り神事。等身大の藁人形に紙の鎧を着せた武者人形を鹿島人形といい、これを子供たちがかかげて、囃しながら練り歩き、焼餅や金を背負わせて、風車などとともに、鹿島舟という柴などで作った舟に乗せて丸子川に流す。
30日〜7/1 東京都浅間神社 江戸浅間祭
30日〜7/2 大阪市勝蔓院 愛染祭
当院は四天王寺の塔頭で本堂に祭られている愛染明王は愛嬌の神として、とくに花柳界、演劇界などの人々に信仰される。
上旬(金曜〜日曜) 東京都品川神社・荏原神社 品川祭
第一土曜・日曜 長野県上高地 ウエストン祭
第一日曜 広島県千代田町 壬生の花田植
田植神事。田の神(サンバイ様)を田に迎えて村全体で行う。最初の代掻きでは、飾りつけられた花牛が田に入り、続いてサンバイ(音頭頭)、笛、太鼓、手打鉦、小鼓の囃子方と早乙女が列をなして奏しながら田に入る。そのあと、サンバイと早乙女が田植歌を問答風に掛け合いながら田植を行う。
第一日曜〜7/5 寒河江市 さくらんぼ祭
旧17日 広島県厳島神社 厳島管絃祭


矢代仁が出品する主な催しの予定
  日程 場所 催し名
5月 19日〜6/1 伊勢丹:店内 名匠展
  25日〜6/7 大阪三越:店内 創秀会
6月 1日 千總・川島織物・矢代仁:ビル葆光 鼎美会
  2〜7日 大阪高島屋:店内 上品会
  2〜8日 福岡岩田屋:店内 男物展
  3〜5日 神戸大丸:店内 夏の呉服謝恩会
  3〜9日 神戸大丸:店内 特選呉服特招会
  5〜6日 名古屋松坂屋:八勝館 京匠会
  5〜6日 伊勢丹:美術クラブ 洛美会
  5〜6日 大阪高島屋:ハービスホール 大きもの祭
  6日 松坂屋関東地区:赤坂プリンスホテル 名作展
  7日 神戸大丸:ホテルニューアワジ 夏の呉服謝恩会
  8日 神戸大丸:姫路地区 夏の呉服謝恩会
  8〜9日 日南山形屋:服部亭 京彩会
  9〜14日 京都高島屋:店内 上品会
  9〜15日 名古屋三越:店内 矢代仁展
  10日 鹿児島三越:重富荘 特選会
  10〜13日 西武そごう:高輪プリンスホテル 千種会
  11日 名古屋松坂屋:マツザカヤホール 名作展
  12日 日本橋高島屋:グランド・ハイアット・東京 プレステージコレクション
  12〜13日 小大丸:御堂筋ビル 半額市
  12〜15日 糸園呉服店:店内 蔵びらき
  14〜22日 名古屋松坂屋:店内 名作展
  16〜30日 日本橋高島屋:店内 全館クリアランス
  17日 横浜高島屋:横浜ロイヤルパークホテル エクセレントコレクション
  17〜18日 神戸大丸:店内 大きもの展
  17〜22日 JR名古屋高島屋:店内 上品会
  18〜19日 小大丸東京店:ふくでん 半額市
  19日 京都高島屋:室町二条矢代仁京都店 決算特別ご奉仕会
  21日 岡山高島屋:ホテルグランヴィア岡山 大きもの祭
  22日 仙台三越:仙台プラザホテル 特選会
  22〜23日 山形屋:城山観光ホテル 京彩会
  23日 静岡松坂屋:店内 Dxバーゲン
  23〜29日 弥生:店内 蔵開き
  24〜30日 トキハ:店内 矢代仁展
  24〜29日 紅屋:池田本店 赤札市
  24日〜7/7 神戸大丸:店内 オール呉服夏季祭
  25〜27日 美馬 窪川展
  26〜27日 三越本店:濱田屋 特選会
  27日 大阪高島屋:六三園 特招会
  30日 京都高島屋:店内 夏呉服売り尽し




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