海芋(かいう)〜和蘭海芋・蕃海芋またはカラーとも言う。南アフリカの原産で、弘化年間に渡来し、切花用として栽培される。葉は一株に叢生して、三角状卵形で、長さ二十センチ前後。五、六月ごろ、葉の間から九十センチほどの葉柄を立てて、花をつける。花は大きな純白の仏焔苞(ぶつえんほう)に包まれた棒状の両性花で、香気がある。
枇杷(びわ)〜芳香のある果肉は甘い漿液(しょうえき)にとみ、大きな暗褐色のつやつやした種をおおっている。暖地に適し、長崎県の茂木枇杷は細長くて甘味が多く、房州の田中枇杷は大形で丸く酸味が多く、四国の楠枇杷は丸形でやや酸味がある。楠はもっとも早く、五月下旬に収穫され、田中はもっとも遅く、六月中・下旬である。 |