山査子(さんざし)〜シナの原産で享保十九年(1734)に薬用植物として、朝鮮から渡来したが、今は花を観賞用に庭に植えられている。果実は球形で、永続性の萼を頭に残し、径二センチほどで、秋、赤または黄色に熟する。食べられないが薬用にする。漢名、山櫨。山査子の「子」とは実のことだが、日本では果実の効用は少なく、植物自体の名となった。華北・満州原産の大実山査子は、生食する外、ゼリーや乾果にし、西洋山査子は種が多いので生食にはせず、おもにジャムやゼリーに作る。北アメリカにはこの種のほか多数のサンザシ類の野生が見られる。英名ホーソン、メイ・フラワーともいう。
郁子(むべ)〜3〜6センチほどの卵形の青い実が、晩秋には熟して紫色になる。通草(あけび)の実に似ているが、熟しても裂けず、食べると通草より甘い。
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