牛蒡薊(ごぼうあざみ)〜もりあざみとも言う。山の温泉場などで山牛蒡の味噌漬などと言って売っている。ヤマゴボウ科の通名ヤマゴボウ(根は毒)と混同しやすい。だがこれはキク科の山菜で、アザミの属であり、島根県三瓶山で三瓶牛蒡、岐阜県恵那郡で菊牛蒡などと言われている。(キクゴボウの名は外来種のスコルゾネラにもつけている)。本州中部から西の山地に野生し、現在長野県伊那郡、岐阜県恵那郡には、桑園の間作に栽培している。八月ごろ紫紅色の花が咲き、十月から冬のあいだ、細い牛蒡のような根を採取する。根を数日水に漬けてアク抜きし、庖丁で外皮を剥ぎ落し、赤味噌・麹・醤油・塩などで漬けこむ。香りと歯切れのよさを喜ばれる。
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