クロッカス〜サフランのギリシア名である。地中海沿岸と西南アジアに分布するが、日本には、文久の末年に渡来した。サフランに薬用と観賞用とあり、薬用の方は秋開花するが、園芸植物としては秋咲きも春咲きもあり、春咲きの方を現在園芸家はクロッカスと言っている。春咲きのものは、窓辺の鉢物として喜ばれ、多くは原産ぺルヌスから出た園芸品種で、二、三月ごろ、色は白・藤色・濃紫色・絞り・縞入りなどがあり、黄色のものはメーシアクス種である。松葉のような葉が延びないうちに、球根から短い花茎を出して、漏斗状の六弁の花を開く。日中は開き、夜間は閉じる愛すべき花で、水栽培によく使われる。
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