彼岸桜〜春の彼岸のころ咲いて、さきがけをなす桜の一種で、花は一重咲きの淡紅色である。枝上に満ちて二、三輪繖(きぬがさ)状をなして出て、小枝はなめらかでつやつやしい。中部以西の地に多い。江戸彼岸は別種だが、東京ではこれを彼岸桜と言い、上野公園のものが名高い。姥彼岸・東彼岸・立彼岸などとも言い、花期は真正の彼岸桜よりやや遅く、三月下旬である。江戸彼岸の変種が糸桜で、枝垂桜・しだり桜・枝垂彼岸とも言い、枝は下垂し、花に一重・八重がある。京都平安神宮の紅枝垂は名高い。
木瓜の花〜三月末ごろ、葉に先だって、かたまって艶麗な花をひらく。シナ原産で種類が多く、一重も八重もある。深紅色の緋木瓜、白色の白木瓜、白地に紅を散らした濃艶な更紗木瓜、朱をおびた濃紅色の蜀木瓜、大輪の広東木瓜など、いずれも庭園に植えて賞される。幹に棘があり、葉は海棠に似て、高さは二メートル以上になるものもある。花木瓜。
|