貴船菊〜古都の景色に溶け込む雅やかな花だが、もともとは帰化植物。京都の貴船山付近に多く野生化していたところからついた名。秋にキクに似た花を咲かせるところから、和名はシュウメイギク(秋命菊)。英名のジャパニーズ・アネモネは、最初に日本で発見されたための名であるが、現在では園芸品種の一つを指す名になっている。中国、台湾、ヒマラヤ地方の原産で、日本へは、古くに中国より渡来し、観賞用に栽培され、また野生化した。茎は直立して粗く分枝し、高さは50〜100センチ。秋、長い花柄の先に、紅紫色のキクに似た花を咲かせる。花径は5〜6センチ。花弁に見えるものは萼片で、原種では5枚、交配種には30枚あるものもある。花は上向きに正開するが、莟のときはうつむいている。花壇や鉢に植えられたり、また、切花にもされる。キンポウゲ科アネモネ属の多年草。19世紀中頃に、イギリスで初めて交配され、その後、多くの園芸品種が作られて、世界中に広まっている。現在日本で栽培されているものとしては、一重咲き、八重咲き、白、クリーム色、赤、桃色などがある。
水引の花〜晩夏から初秋にかけて、梢上に数条の細長い花梗を出し、穂をなして蓼の花に似た赤色の細かい花をまばらにつける。花の下面が淡色なので、山地や草叢に露を含んで花を開くさまは、水引きのようである。茎は70〜80センチほどで毛があり、節が高く、倒卵形で面に黒斑のある葉をつけている。水引草。白い花のものを銀水引、紅白まじるものを御所水引と言う。黄色に金水引というのは、別種の草で、夏秋の交、花穂を出す。