朴(ほお)の花〜山地に生ずる日本特産の落葉喬木で、幹の高さ十四、五メートルあまり、直立してまばらに枝を分かつ。初夏のころ、緑色の大きな鱗片に包まれた蕾をつけ、黄白色の九弁の美しい花を開く。花弁の中に雄蕊・雌蕊が重畳し、馥郁とした芳香が漂う。大輪の花弁が、地に落ちるさまも見事である。朴散華(ほおさんげ)。葉は檞(かし)に似て長楕円形で浅い緑色だが、春の若葉は淡紅色を帯びて美しい。秋になると実が紅く熟す。厚朴(ほお・ほおがしわ)。ホウノキの葉の上に味噌をのせネギとショウガをまぜて火にかけたものは、飛騨の名物料理「朴葉味噌」として知られている。