① 穀織(こめおり)〜海老ヶ瀬順子 作 文様紗の技法から変化して生れたと推定される搦み織りの一。経糸二本を対として絡み合わせ、透し文を作る。名称は籠目(こめ)の意といい、又、絡んだ目が穀粒状のためともいい、「倭名類聚抄」は粟の如しと述べる。「伊呂波字類抄」に弘仁十四年(823)夏、一公卿が初めて穀袍を着て参内したが、翌年夏、太上皇が熱を発し厚地の袍が着けられないので通気のよい穀袍を用いた。これから夏季の装束として穀織を用いたと記す。以後夏装束として広く用いた。
「黒葡萄」
② 小千谷縮〜樋口隆司 作 雪国小千谷で数百年の年月を重ね、織り続けてきた麻の織物です。たて糸よこ糸ともに上質の細い苧麻糸を使います。強い撚りをかけた「よこ糸」を一本一本ていねいに織り、仕上げはぬるま湯の中で心をこめて手揉みをします。独特の「しぼ」を生じた縮布は、風を通す清涼感やさらりとした肌触りで、暑い季節を過ごすための最適の織物です。
「麗韻」
ベゴニア:矢代仁蔵書「西洋草花図譜」
ベゴニア〜シュウカイドウ科の花で、種類はすこぶる多く、鉢植にして温室で栽培する多年草または灌木。葉は左右不同に互生し、花は雌雄異花、五センチ以上あって美しく、黄から赤、紫をおびるものや白などさまざまあり、また八重咲もある。南アメリカ・メキシコの原産である。