合歓の花〜梅雨があがると、夕暮れの薄明りの中で、細い糸を無数に集めたような淡紅色の美しい花をひらく。六メートルあまりの落葉喬木で、枝を分けて繁茂し、葉は多数のやわらかい小葉からなる羽状複葉で、日暮れになると、その淡緑色の葉をしずかに閉じて就眠する。
枸杷(くこ)〜山野に生ずる落葉灌木で、叢生して刺(とげ)がある。長楕円形の柔らかい芽が出て、春の若葉は摘んで食用とする。炊きこんで枸杷飯にしたり、胡麻あえ・浸し物にしたり、茎ごとつんだ葉を枸杷茶にして飲んだりする。夏に、淡紫色の花を咲き終ると実を結び、晩秋には真紅に熟れる。滑らかな楕円形の実で、甘味があり食べられるが、茎葉とともに薬用にすることが多い。