莕菜(あさざ)〜湖や池などの澄んだ水面に、10センチほどの丸い緑色の葉を浮かべる水草で、初夏のころから鮮黄色の五弁の花を水面にひらく。水底の泥の中から太い糸状の茎を伸ばし、花も葉も水面に生じる。葉の裏は褐紫色で、花弁の縁は毛のように細かく裂け、一目でそれとわかる。花蓴菜(はなじゅんさい)、浅沙(あさざ)の花。
睡蓮〜池・沼などに生じ、栽培もされる。水底泥中の根茎から多数の丸い葉を水面に浮かべ、葉の表面は深緑色、裏面は淡紅紫色で、蓮の葉より小さい。盛夏のころ、7〜8センチほどの蓮に似た美しい白い花をひらくが、朝露を含んでひらき、夕べにはしずかに花をとじるので、この名がある。未刻(午後二時:ひつじのとき)からつぼみはじめるとも言われて、未草の名もある。花の後、実を結び、熟すと水中に沈む。
菱の花〜古い沼地などに生ずる水草で、泥中の去年の実から萌え出して根をはり、水中の羽状の水中根を長く伸ばして、菱形の鋸歯のある葉を多数浮かべ、つやつやと水面を被って繁茂する。夏には葉の腋に四弁の白い小さな花をひらき、秋に実を結ぶ。花菱。