矢代仁は2020年、おかげさまで創業300年を迎えます。激しい時代の変遷の中、ここまで暖簾を守れましたのも、皆様の厳しい指導と温かいお引き立てのお陰と心から感謝申し上げます。「慎みて祖業を堕とすことなかれ」の家憲を守り、呉服一筋、「日に新日々新」の精神で、矢代仁らしいオリジナルの染織美を追求、創作し続けてまいりました。これからも、伝統の織・染・繍に新しい表現方法を取り入れ、本物の技を磨き伝えて参ります。
◯総縫取御召「江戸百景」安藤広重の本作から二十二景を選んで配置し、浮世絵の意匠を上品で洗練された着物に仕上げています。三万五千枚の紋紙を使った精巧な織物表現で原本の趣を再現した美術工芸作品です。
◯手織り御召「香袋の図」弊社大正期の資料作品を復刻。当時のジャガード機を使い丹念に手織することで、より細密に仕上げた逸品です。
◯「絞繍小振袖」矢代家所蔵の江戸後期作「絞繍小振袖」を、現代の最高技術で蘇らせました。多色に彩られた巧緻な刺繍と絞りの美しさに伝統の技がうかがえます。
千總、川島織物、矢代仁、三社の2020年〜袷、単衣、夏物〜の新作が発表されました。
三椏の花
三椏(みつまた)の花〜落葉灌木で、二メートル前後、黄褐色の枝がみな三又をなしている。晩秋の落葉をまって梢ごとに蕾み、翌年三、四月ごろ、若葉に先だって、蜂の巣形の黄色い筒状の花をひらく。製紙原料となる木である。