茅花(つばな)〜イネ科の多年草であるチガヤ(茅萱)の若い花穂のことをツバナといい、植物名ではない。チガヤの古名をチ(茅)というところから、チバナ(茅花)がなまってツバナになったものといわれている。サトウキビに近縁。三、四月ごろ、野原や路傍などに、苞がほぐれて、絹糸のような白毛の密生した数センチの穂が風にそよいでいるのを見る。茅萱(ちがや)の花である。古来、詩歌にもうたわれているが、葉の伸びぬ先に、とがった苞につつまれて白色の小花をつける。子供が摘んで食べるが甘い。のち苞がほおけて、穂絮(ほわた)を飛散する。むらがって生え、遠くからみる茅花野(つばなの)は美しい。針茅(つばな)・ちばな・浅茅(あさじ)が花・しらはぐさ。生えている野原を浅茅生(あさじう)・浅茅原という。