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 桐の着物

  中国で桐は王者の出現を待って現れる瑞鳥鳳凰のすむ木として尊ばれた。日本でもこの思想から天皇の衣裳・調度の模様に多く用いられた。吉祥文様としては、竹の実を食すとの故事から桐竹鳳凰図が多い。
白色で木目が美しく、やわらかで軽い材質から、家具や茶器、日本古来の楽器である琴などに使われてきた。昔は女児が誕生したら桐を植えるという風習があった。桐の樹は伐ってもすぐ芽を出し、生長も早いので、女児が嫁入りの頃には箪笥の用材になる。
桐の花は、初夏のころ、紫の大形の唇形花を多数つける。清楚で芳香があり、遠く望んだ梢の紫は美しい。実は卵形の堅い実で、熟すると木質の外皮が裂け、中から翼のある多くの種子を飛ばす。つぼみは花材にする。
漢名白桐で梧桐(あおぎり)は全然別種である。日本の模様には誤用や区別の曖昧な例が多く混同もあった。中国で嘉木とするのは梧桐。わが国における桐の文様は白桐の文様化。。


   


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