矢代仁の新商品を季節ごとにご紹介させていただきます。

 お茶会の付下

結婚式やパーティで着るような華やかなものではなく、控えめな中にも格のある色柄を選びます。きものの地色は、中間色の薄めの色、抑えた上品な色。無地場の多いすっきりとした柄付けで、模様は古典の四季を通じて着られるものがよいでしょう。縫いで一つ紋を入れておくと、あらたまった席にも着られます。帯はきものと調和する袋帯や名古屋帯を合わせますが、茶席での帯はとくに目立ちます。きものと帯の組合せから、一つの物語や詩が感じられるような装いが茶席のお洒落の醍醐味でもあります。

【参考】
茶会のきものは1.色留袖、2.訪問着、3.付下、4.色無地、5.小紋の順にいちおう格付けされ、このうち紋を必ず付ける色留袖は別として、訪問着以下のきものは、紋のあるなしによって格付けも上下します。これらのきものを茶会の格にしたがって選び、相手方や周囲に失礼のないようにととのええることが必要です。
目上の方から正式な茶事に招かれた場合は、相手方の心入れにこたえて、格の高い装いをします。招く側もそうした客の気持ちを汲みとることでしょう。招く側の方で注意したいことは、どんな場合も客よりも一歩引いた装いをするということです。控えめといっても、地味という意味ではありません。亭主として客を引き立てるような、一見控えめでいて、どこかに華を感じさせるような品格のある装いを心がけたいもの。また、半東も、助手のような立場だからといって、色無地のきものに色無地の帯といった何の工夫もない装いは避け、亭主とのバランスを考えたこまやかな心遣いで準備にあたりましょう。茶会では半東も重要な役割なのです。
・初釜、炉開きなどは、お茶では大事な、そして祝いの気持ちをもって臨む正式な茶会です。このような茶会には、つねよりは改まった、また晴れやかな装いを心がけましょう(たとえば、家元での初釜〜色留袖、先生宅での正式な茶会〜一つ紋付の訪問着、付下、色無地や江戸小紋の紋付など)。
・茶人の忌日に関連した茶会や、故人を偲んで催される茶会には、無地紋付に地味めの帯を締めますが、仏事だからといって必ずしも黒い帯や法事用の帯を用いる必要はありません(たとえば、利休忌や天然忌〜色無地紋付)。
・節分、花見、七夕、月見、紅葉狩などの季節に催される趣向の茶会では、すこし軽い装いで、季節を楽しむ気分を盛り込んでみましょう。立礼や野点の席、それほど正式でなく、気軽な茶会には、小紋も、そしてときには、織りのきものも着ることができます。着こなし上手の先輩の方などにアドバイスを受けながら、情趣ある装いで自分を表現してみましょう。

左から:芒と乱菊、花篭吹寄せ、御所解波つき



   


    YASHIRONI 株式会社 矢代仁
〒604-0021 京都市中京区室町通二条南入蛸薬師町272-2
TEL (075)211-2421 FAX (075)211-2428
当ページに掲載されている情報・画像を、無断で転用・複製する事を禁じます。