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吉祥文様・松竹梅文 |
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松竹梅の結合を吉祥文とするのは、中国における「歳寒三友」、すなわち寒さに耐え人生に益し、めでたい、賞すべき三つのものという思想に由来する。松竹の四季変わらぬ緑を保つ姿は永遠性とされ、寒中花を咲かせる梅は清らかで高雅な美しさを賛した。この三つが揃って吉祥の象徴として一般化し、意匠化されたのは室町時代である。松竹の神性に梅花の彩を加えることは、意匠化にあたり日本人の美意識を満たすものでもあった。工芸品に劣らず染織関係にも多い文様。江戸時代の腰巻は必ず吉祥文を用いるが、これには松竹梅に鶴亀・七宝などを加えた意匠がある。能装束や友禅小袖にも多く、三者を具象的に描くもの。松を松皮菱で表現するもの。竹を幹で現わすものなど、三者の取合せにより豊富なデザインを生む。 |
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